大震災を始めとする過去の大きな災害時にはライフプランの復旧などに約1週間がかかりました。スーパーやコンビニは停止、避難所で過ごすことも考えられます。その時に手に入るのは、乾パンやスープなどお腹を満たすシンプルな食事がほとんど。
その間の食生活はどうすればいいのでしょうか?
農林水産省は最低3日分の備蓄商品は用意することを推奨しています。
また、災害時要配慮者(乳幼児や食物アレルギー疾患を有する者など)に関するアンケートでも必要な備蓄食品は災害食・備蓄食は3日分という記載があっため、最低でもその期間の食糧を確保したいですね。
<参照元>
・松井欣也ほか.『災害時要配慮者に対する災害時の食支援に関する意識調査』,2018
災害食に求められる要素としては栄養価と並んで、アレルギー対応もかなりのニーズがありそうです。
国民の3人に1人がアレルギーと言われる現代の日本では災害時にもアレルギーに配慮した食事が必須だと考えられますがまだまだそのような非常食は少ないことが考えれます。
<参照元>
・松井欣也ほか.『災害時要配慮者に対する災害時の食支援に関する意識調査』,2018
災害食に求められる要素としては栄養価と並んで、アレルギー対応もかなりのニーズがありそうです。国民の3人に1人がアレルギーと言われる現代の日本では災害時にもアレルギーに配慮した食事が必須だと考えられますがまだまだそのような非常食は少ないことが考えれます。
震災をはじめとする非常時には、多くの不安がつきものです。そんな時、心身のバランスを保つためにどんな術があるのでしょうか? 身体からのアプローチはもちろん、精神面から多くの人々のケアを手がけてきた橋本佳子先生にお話をお聞きしました。
やはり日常とは違う極度の緊張状態にいらっしゃるということでしょうか。緊張状態というのは精神面から発して、身体の方も感覚を閉ざすようになってしまう状態です。
精神的に追い詰められると、交感神経という戦う神経が敏感になり、副交感神経が抑制されてしまうんです。
副交感神経は、食べ物の消化も司るため、食べても消化することが難しくなるなど、結果として身体の健康への影響も出てくるんです。
よく映画のヒーローで、ピンチが来てもチャンスを見つけてパッと切り抜けていくシーがありますよね。
心が不安でいっぱいになると、視野がとっても小さくなってしまうので、次のアクションが思いつかなくなってしまったり、誰かに相談することも忘れて一人だけで考えて袋小路に入ってしまったりするものですが、ヒーローたちはチャンスがある方に視野を広げて冷静にアクションを起こして切り抜けていきます。
逆に不安や恐怖に流されてしまった場合、例えば、何とか逃げなければ、という状況で冷静な判断を失い周囲の人々と押し合ってかえって危険な状況を作ってしまうこともありますよね。
いつ起こるか分からない非常時だからこそ、その時に一人ひとりが不安に流されずに冷静に判断出来るように、日頃から備えておくことが大事だと思います。
やはり普段と同じものやそれと近い食生活が送れることが望ましいと思います。非日常の中でも日常的な感覚に戻してくれるもの、そして家族や周囲の人たちと一緒にその喜びが分かち合えるような食卓が心の安定のためにはとても大切です。
そういった普段通りの食事があることで、心もリラックスした状態になり、先ほどの副交感神経の話にもつながりますが、消化が難しくなる状況も避けられると考えられます。
どういう状況になるかわからない時には、やはりエネルギーを摂っておいた方が良いですよね。また、温かい食事も、気持ちをほぐすためには効果的だと考えられます。
心が緊張状態にあると身体も感覚を閉ざすようになり、経験的に感じていた「美味しさ」等が感じづらくなることもあるのですが、経験に拠らない客観的な事実として「温かさ」や「温もり」はそんな時にも誰しもが感じやすいんです。季節によっては、ガスや電気が無い時に内側から温まることもとても大事です。
また、状況によっては食事に飽きが来て3日から一週間くらい経ってくると辛くなるケースが多いと思うのですが、そんな時には味のバリエーションを揃えておくことも良いと思います。
特に食に対する不安が強いご病気をお持ちの方は、いつもと異なる食事が続くことがプレッシャーになってしまうので、備えを充実させておくと良いと思います。
「非常食が定期で来る」というのがいいなと思いました。防災訓練のように、定期的に防災食を食べることで、非常時に備えることを意識したり家族で話題にする良い機会にもなると思います。
常日頃から意識することは難しいものですが、きっかけを持つことで、自分たちの日頃の暮らしと大事にしているものを見つめ直すということは、「心の防災訓練」としてとても有効なことだと思います。
久留米大学医学部卒業、内分泌代謝内科学講座入局。幼少期に母親がI型糖尿病を発症。父親とともに長年に渡る闘病生活を支え続けた経験から、心と体の繋がりについて深く学び、医学的な治療方法だけでなく、心との向き合い方について幅広い視点からアドバイスを行っている。
【経歴】:社会保険田川病院、芳野病院、橋本内科胃腸科医院勤務。医療法人水聖会メディカルスキャニング浜松町にて院長を務めたのち、現在は、ピュアライフメディカルクリニックにて治療に携わっている。